◆Classic Paris #62 ドフィーヌ広場 パリ1区/Place Dauphine,1e Paris (2018年5月)

・・・もっとも深く引きこもった場所のひとつであり、パリでも一番よからぬ空地のひとつである。(アンドレブルトン)

シテ島の西端にあるドフィーヌ広場は1607年にセーヌ川の両岸を結ぶポンヌフ橋の建設と並んでアンリ4世によって開発された。この場所の一部は当時はまだセーヌ川に浮かぶ小さな中州で、シテ島の西端とこれらのいくつかの中州を繋ぎ埋め立てる形で開発された。
ポンヌフ橋を渡りシテ島に入るとすぐ、東側に広場の入り口がある。広場の入り口の両側には建物が立ち、その入り口を抜けると狭い扇型の広場が広がる。
建設された当時は広場の東端にも建物があり、まさに三角形の広場であった。1874年には東端の建物が壊され街路樹が植えられ、現在に至っている。
地図でこの場所を確認すると三角フラスコを横に倒したような形状が良く分かる。
広場の東端のアレル通りを挟んで、シテ島の1/3を占めるパレドジュスティス(パリ司法宮)があるせいか、パリ中心部であるにも関わらずこの広場はとても静かだ。

シュルレアリスト作家のアンドレブルトンはこの三角形という形と閉ざされた空間にとても関心を持っていて、「ナジャ」の中で「・・・もっとも深く引きこもった場所のひとつであり、パリでも一番よからぬ空地のひとつである。私はそこへやってくるたびに、よそへ行きたい気持ちがどんどん薄らいでいくのを感じた・・・」(巖谷國士・訳)と記している。

MAP/航空写真
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ストリートビュー
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