◆Classic Paris #74 ブロンデル通り パリ2区/38 Rue Blondel, 2e Paris (2018年5月)

ブロンデル通り、1907年13時14分。

ブロンデル通りはパリ2区、サン=ドニ通りの北端、サン・ドニ門の手前から東に延びる通り。長さはおよそ200メートル。サン=ドニ通りはセーヌ川右岸すぐから始まるが、しばらくはパリらしいカフェや洒落た店が並ぶが、500メートルほど北上したレオミュール通りを超えるあたりからだんだん怪しげな店が目に付くようになる。昼間なら通りの先にあるサンドニ門に気を取られて、こうした店には気が付きにくいかもしれない。しかしサンドニ門にほど近いブロンデル通りに入り込むと、人類史上最古のご商売をなさる淑女の方々に真昼間からお出迎えいただくことになる。

ところで、サン=ドニ通りはキリスト教がパリに伝わった3世紀ごろから続く古い通りだ。そのころパリの北にある教会の司教だったのが「ドニ」。モンマルトルで迫害を受け首を切り落とされたが、自身で自分の頭部を抱えて教会の村まで歩き息絶えたという。その後ここに聖堂が建てられ「ドニ」が聖人としてまつられ、代々の王が詣でた。このことからいつしかその道が「サンドニ通り」と呼ばれるようになる由緒ある通りだ。

Atget/アジェは1907年にサン=ドニ通りからブロンデル通りを撮影している。通りの右の建物に架けられている時計の針は13時14分を示している。
ものの本によればすでにこの頃も淑女はいらしたらしい。

MAP/航空写真
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ストリートビュー
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