◆Classic Paris #82 サンジェルマンの牡蠣むき職人 パリ5区/68 Boulevard Saint-Germain, 5e Paris (2019年11月)
牡蠣剥き職人のことを「l’écailler/エカイユ」というそうだ。
牡蠣を手早く美しく「剥く」だけではなく、甲殻類全般の豊富な知識や目利き、客に盛り付けてサービスする技術なども求められる職人と位置づけられている。ワインをサービスするソムリエのようなものと考えれば良いようだ。
古代ローマ時代からフランスの北西部の海岸地域(おおよそドーバー海峡の海岸線)では牡蠣の養殖がされていたというがいつしか衰退。その後14世紀になると養殖が再び復活し、盛んに食されるようになるが、当時の有名な料理本によれば「必ず熱湯に通し、よく洗ってから食べる」ように勧められていたという。その後17世紀の終わりごろになると、ルイ14世が牡蠣の供給販売に乗り出し、パリでも殻付きの牡蠣が出回るようになった。ルイ14世は無類の牡蠣好きでベルサイユ宮殿に運ばせた牡蠣を毎朝食べていたという。この頃からパリ市中にも牡蠣が出回り「牡蠣むき職人」が登場するようになる。
サンジェルマン通りのビストロの店頭で、「l’écailler/エカイユ」がせっせと腕を奮っていた。ガラス越しの店内の客の待ち遠しそうな顔が目に浮かぶ。
MAP/航空写真
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